出典:個人投資家説明会 東京海上グループの経営戦略 (2022年3月11日)
マイナビ・日経 2022年卒大学生就職企業人気ランキングでトップに躍り出た東京海上日動火災保険株式会社。
2000年以降で初のトップとのことでして、損害保険業界が新卒学生に注目されていることがわかります。
⇛「マイナビ・日経2022年卒大学生就職企業ランキング」を発表~文系1位は東京海上日動火災保険、理系1位は味の素~
そんな東京海上日動火災保険会社について、今回リサーチしてみました。
会社情報や企業のこれまで歩んできた流れなど、この記事を読んで企業研究を一緒にしていきましょう。
目次
基本情報
会社概要
名称 | 東京海上日動火災保険株式会社 (以下、東京海上日動) |
創業 | 1879年(明治12年)8月 |
資本金 | 1,019億円 |
取締役社長 | 広瀬 伸一 |
本店所在地 | 東京都千代田区大手町二丁目6番4号 >地図 |
主要な業務 | 1. 損害保険業 (1)保険引受 ・火災保険 ・海上保険 ・傷害保険 ・自動車保険 ・自動車損害賠償責任保険 ・その他の保険 ・以上各種保険の最保険 (2)資産の運用 保険料として収受した金銭その他の資産の運用 2. 業務の代理・事務の代行 (1)損害保険業に係る業務の代理・事務の代行 イーデザイン損害保険株式会社及びアニコム損害保険株式会社の損害保険業に係る業務の代理および事務の代行 (2)生命保険業に係る業務の代行・事務の代行 東京海上日動あんしん生命保険株式会社の生命保険業に係る業務の代理および事務の代行 3. 確定拠出年金の運営管理業務 4. 自動車損害賠償保証事業委託業有無 政府の行う自動車損害賠償保障事業のうち、損害のてん補額の支払請求の受理、損害額に関する調査、支払い等、業務の一部を政府より委託 |
正味収入保険料 | 2兆2,881億円(2021年度) |
総資産 | 9兆5,647億円 |
従業員数 | 17,008人 |
国内営業網 | 127営業部・支店、335営業室・課・支社、18事務所 |
損害サービス拠点 | 225ヶ所(国内) |
代理店数 | 45,920店(国内) |
(東京海上日動火災保険株式会社のHP参照)
企業理念
お客様の信頼をあらゆる事業活動の原点におき、「安心と安全」の提供を通じて、豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献します。
事業内容
東京海上日動は損害保険を商材として抱え、日本におけるリーディングカンパニーとして先導している企業です。
その商品は多岐に渡っており、新たなる商品・サービスの企画・開発も積極的にすすめています。
個人向けの商品やサービス
東京海上日動のHPから下記抜粋してきました。
- 自動車保険
- 超保険(生損保一体型保険)
- 火災保険・地震保険
- からだの保険
- 旅行・レジャーの保険
- ネットで入れる保険
- 確定拠出年金
保険という商品は、たくさんの種類がありますが、中でも超保険(生損保一体型保険)という言葉には馴染みがないかもしれません。
カッコ内に書いている通り、生命保険と損害保険の一体型の保険ということになります。
学生の方々はこれまで保険というものに関わることが少なかったと思いますが、社会に出ると必須アイテムになってくるのが保険と言っても過言ではありません。
保険会社は国内企業だけでなく、外資もあるため、たくさんの企業数があります。
そのため、生命保険は◯◯保険会社、損害保険は△△保険会社とバラバラにしてしまいがちです。
それを一体型にし、まとめてしまおうと考えたのが、東京海上日動の超保険になります。
法人向けの商品やサービス
法人向けの保険もたくさんの種類があります。
また、個人よりも単価があがるため、営業を行う際はBtoBで対応することが多いかもしれません。
下記東京海上日動のHPより事業内容を抜粋しました。
詳細は HPを見て確認してください。
- 事業活動全般の保険
- 企業財産の保険
- 自動車の保険
- 賠償責任の保険
- 工事の保険
- 従業員の労災の保険
- 信用・保証の商品
- 船舶・貨物・運送の保険
- その他のリスクの商品
- 確定拠出年金
- 企業リスク情報
- 企業向け事故防止サポートサービス
業績データ
収入保険料及び利益
過去3年分の収入保険料及び利益をグラフにまとめております。
その他の年度の決算内容はこちらから確認してください。
損害保険に関しては、実は業界的には景気が回復しつつあります。
自然災害が減少し、各種保険の値上げ、円安の影響により、好調に推移しつつあります。
そのなかでも東京海上日動は収入保険料はトップで、先述した生命保険をセットで売っている国内の保険会社において業界最大手となります。
従業員データ
大卒・院卒の男女別採用数
東京海上日動は文系に非常に人気の企業です。
さらに特徴としては大卒女性の割合が63.6%と、女性の割合が大きく、女性が働きやすい環境を整えている結果が結びついているものだと思います。
大卒男(文系) | 大卒男(理系) | 大卒女(文系) | 大卒女(理系) | 修士男(文系) | 修士男(理系) | 修士女(文系) | 修士女(理系) | |
2020年 | 180 | 15 | 395 | 15 | 0 | 11 | 2 | 3 |
2021年 | 159 | 20 | 387 | 17 | 0 | 16 | 3 | 0 |
2022年 | 140 | 17 | 330 | 13 | 2 | 18 | 2 | 3 |
計 | 479 | 52 | 1112 | 45 | 2 | 45 | 7 | 6 |
『出典:駒橋憲一,「就職四季報 2023年版 東洋経済新聞社」,東洋経済新聞社, 2021年12月9日, 236ページ』
男女・職種別採用実績
女性が非常に多く採用されている傾向ですが、
男女・職種別採用実績を見てみると、会社の方針が垣間見えます。
グローバルコース(男) | グローバルコース(女) | エリアコース(男) | エリアコース(女) | |
2020年 | 168 | 40 | 38 | 378 |
2021年 | 143 | 29 | 52 | 379 |
2022年 | 121 | 29 | 56 | 319 |
計 | 432 | 98 | 146 | 1076 |
東京海上日動はグローバルコースとエリアコースと分かれており、男性はグローバルコースを、エリアコースは女性をメインに採用しております。
こうして内訳を見てみると、日本国内は女性が活躍し、男性が海外にて仕事をしていくんだろうと予想がつきます。
『出典:駒橋憲一,「就職四季報 2023年版 東洋経済新聞社」,東洋経済新聞社, 2021年12月9日, 236ページ』
従業員数、勤続年数など
社内の従業員数の内訳は下記の通りです。
女性がたくさん活躍している職場ですので、人気企業というのも納得できますね。
男性の平均年齢は47.1歳、女性は37.2歳で、平均勤続年数は男性が12.4年、女性は11.9年となっております。
『出典:駒橋憲一,「就職四季報 2023年版 東洋経済新聞社」,東洋経済新聞社, 2021年12月9日, 236ページ』
企業の歩み
東京海上日動の創業期
東京海上日動は1879年に日本初の保険会社「東京海上保険会社」を設立しました。
近代化を目指す日本のために、”貿易積荷を海難事故から守る”という目的のもと、貿易を支える海上保険から事業をスタートしています。
創業時の株主には、元徳島藩主蜂須賀茂韶以下華族団、岩崎弥太郎以下三菱関係者に加え、渋沢栄一・安田善治郎・大倉喜八郎などの一流財界人・華族など約200余名がなをつらねていたとのことです。
そのため、三菱系などの大企業と強固な取引基盤があります。
そして創業同年には上海・香港・釜山に代理店を開設し、翌1880年にはロンドン・パリ・ニューヨークで営業を開始するという非常に早いスピード感で、創業時からグローバルに事業展開をすすめてきました。
また、創業15年後、ロンドンの収益悪化のため、経営危機に陥りましたが、各務鎌吉(かがみけんきち 当時26才)と入社間もない平生釟三郎(ひらおはちさぶろう 当時29才)の二人の若手の活躍により、この困難を乗り越えました。
各務鎌吉に関しては、日本の実業界として初めて「TIME」誌の表紙を飾ったこともあります。
若手であっても活躍できる自由闊達な社風が創業当初から垣間見えます。
日本初の保険商品を次々と生み出す
東京海上日動は日本にはまだ1,000台ほど車が走っていない時代、1914年2月に日本初の自動車保険を販売し、日本のモータリゼーションを支えてきました。
また、賠償責任保険や人身傷害保険(自動車保険)、生命保険と損害保険を一体化にした超保険企業をあらゆるリスクから守る超ビジネス保険、再生可能エネルギーを推進する保険など日本初の保険商品を数多く生み出してきた実績があります。
現状と今後の見通し
現状
東京海上日動の株式は東京海上ホールディングスが株式を100%保有しており、東京海上ホールディングスの傘下となっているため、
東京海上日動単体を理解するよりも、グループ全体のことを理解しておくほうが良いでしょう。
国内損保事業を展開している企業のリーディングカンパニーとして位置づけられておりますが、それだけに留まらず、生保事業も展開しております。
「おかしいな、人間が生命保険に合わせている」というメッセージを掲げ、革新的な商材を展開して業界屈指のスピードで成長しています。
また、海外保険事業においても成長が著しいです。
英国キルン社、米国のフィラデルフィア、デルファイを、2020年には米ピュアグループを買収するなど、海外事業が拡大しており、
2021年では約1.9兆円の売上が予想されています。
母国市場である日本の安定成長をベースとしながら、海外事業へも注力し、幅広く事業を展開することで
日本発祥のグローバル保険グループに成長しています。
収入保険料は2020年度実績では4.5兆円(国内:67%、海外:33%)、事業別利益5,040億円(国内:51%、海外:49%)、従業員数は43,260名(国内:59%、海外41%)となっております。
今後の見通し
グローバルにリスク分散していく
損害保険会社にとって、気候変動や自然災害の激甚化が利益に直結します。
リスクを引き受ける事業だからです。
日本の国土面積は世界の0.25%、GDPは世界の6%であるのに対し、自然災害による経済の損失は世界の約2割と自然災害大国とされています。
そのため、リスクをグローバルに分散することを目指しています。
その主な手段は海外のM&Aです。
高い収益性と強固なビジネスモデルを持っている海外企業を積極的に買収している状況です。
優良なビジネス基盤を獲得するだけでなく、優れた人材を確保し、グループ一体型経営を進めています。
事業のグローバル化だけでなく、経営のグローバル化を図っているのが東京海上ホールディングスの特徴です。
デジタル化を推進
また、各代理店のデジタル化も進めています。
事前に事故を防ぐような商品・サービス開発を行い、従来の保険ビジネスに留まらず、積極的に新しい事業も企画・開発されています。
特に「事前・事後」の取り組みです。
防災・減災の事例としては、水彩危険度予測システム、「逃げ遅れゼロ」を目指す実証実験、
また、防災科学技術研究所とともにI-レジリエンスを設立、
応用地質やセコムなど参画している防災コンソーシアム COREを発足させたりしています。
ヘルスケア領域での事例では、お客様の「未病・予防」のため、各種アプリなどの様々なサービスを展開しています。
また、モビリティ領域では、通信機能付き2カメラ一体型ドライブレコーダーを開発しています。
AIによる事故条件の再現や、あおり運転対策のために後方および速報の同時撮影を可能にする、緊急時SOS発信機能などを搭載したりと、これまでにないドライブレコーダーを開発しています。
また、新しい自動車保険として&e(アンディー)を発表しています。
これはあらゆる手続きがスマホで完結し、事故対応や事故状況の再現などもこのシステムだけで可能にしているという優れたサービスです。
さらに、事前予防として、安全運転スコアに応じてポイントプログラムなども提供しています。
その他にも、中小企業の支援や再生医可能エネルギー、サイバーリスクなど社会が発達するにつれて、それに応じたリスク回避のための商品が企画されています。
そのため、デジタル人材の育成にも注力しています。
まとめ
日本の損害保険業界のトップである東京海上日動について調べてみました。
東京海上グループへ就職を目指している方々は、今後はグローバル展開を目指しているという企業方針を念頭においてES・面接対策など進めていくことをおすすめします。
(本記事は、東京海上ホールディングスの株主・投資家情報を参照し作成しております。)